今回のテクノロジーの教養は、「コンピューターの構造」についてです。
コンピューターは私たちの生活と切り離せないものとなっています。パソコン・スマートフォンはもとより、IoTの名のもとに様々な製品にコンピューターが搭載されています。
そのようなコンピューターに囲まれた生活は非常に便利ですが、不正アクセスによる情報強奪・政府によるプライバシー監視など意識するしないにかかわらず不利益を受けることもあります。
そのため、この私たちを取り巻くコンピューターについての理解を深めることは、本サイトの目的である「人生を豊かに・自由に過ごす」ために必要なことではないかと考えました。
そのため、今回はコンピューターを理解することの一環として、「コンピューターの構造」について取り上げます。
本テーマについて教えてくれるのは、ブライアン・カーニハンさん著書の「教養としてのコンピューターサイエンス講義」の第1章「コンピュータの中には何があるのだろう」の部分です。
早速中身を要約し、コンピューターの構造について理解していきましょう。
目次
【要約】「教養としてのコンピューターサイエンス講義」 第1章「コンピュータの中には何があるのだろう」
この章では、ハードウェアに焦点を当て、論理的構造・物理的構造・ムーアの法則について説明しています。
論理的構造
汎用的なコンピュータの単純化したアーキテクチャ図は以下のようになります。
・CPU:プロセッサーまたは中央演算装置。計算を行い、データを移動させ、他のコンポーネントの動作を制御します
・RAM:ランダムアクセスメモリー。プロセッサー及びコンピューターの他の部分からアクティブに使用される情報を記憶します。また、CPUにデータの処理方法を支持するための命令も格納されています。揮発性であり、電源を切ると内容は消えてしまいます。
・二次記憶:電源がオフになっても情報を保持し続けることができます。RAMよりも多くの情報を格納することができます。
物理的構造
コンピューティングにかかわることは抽象的なことが多いため、コンピューターの物理的な構造を見ておくことは有用と著者は指摘しています。
物理的構造の要素としては、ディスク・集積回路チップ・それらの製造に使われるウェハー(円形の薄い板)などがあります。
この章の重要な示唆
この章での重要な示唆は以下の通りです。
①ハードウェアは集積回路の発明から始まって50年以上指数関数的に改善されてきた(ムーアの法則「18カ月ごとに同じサイズの集積回路上に置くことができるデバイスの数は約2倍になる」)。
この改善が私たちの生活を大きく変えた原動力となっていること。
②1940年代以降、コンピューターのアーキテクチャ(構成要素、それらの役割、それらの接続)は変化していない。
デジタルコンピューター・PC・携帯電話の論理的・機能的な性質はみな同じであること。
コンピューターの構造は1940年代から変わっていない
コンピューターの性質は年々向上しているが、基本的な構造は1940年代から変わらないという事実は教養として押さえておきたい内容ですね。
多様に見えるコンピューターの世界であっても、深く大きい根の部分があるということは今後のコンピューターの未来を考える際に大きな示唆を与えます。