今回の教養のテーマは、「哲学の誕生」についてです。
このテーマについて教えてくれるのは、立命館アジア太平洋大学学長 出口治明さん著書の「哲学と宗教全史」の第3章「哲学の誕生、それは"知の爆発„から始まった」の部分です。
早速中身を要約していきましょう。
目次
【要約】「哲学と宗教全史」の第3章「哲学の誕生、それは"知の爆発„から始まった」
BC5世紀前後では鉄器の普及・地球の温暖化により農作物の生産量が増加した。
それにより有産階級が生まれたことで知識人や芸術家が登場し、その過程で世界中に数多くの考える人が登場し、知の爆発が起こりました。
知の爆発により哲学的思考が広がりました。
そこで考えたのは「世界は何でできているのか」ということでした。
初期の哲学者たちが出した答えは以下の通りです。
【ギリシャ】
- タレス(BC624頃-BC546頃)ー万物の根源は水である
- ヘラクレイトス(BC540頃-BC480頃)ー万物は流転する。どんどん変化する。
- エンペドクレス(BC490頃-BC430頃)ー万物の根源は、火・空気・水・土の4元素である。この4つの元素を結合させるピリア(愛)と分離させるネイコス(憎)があり、その働きによって4元素は集合と離散を繰り返す。
- デモクリトス(BC460頃-BC370頃)ー万物の根源はアトム(原子)である
- ピュタゴラス(BC582頃-BC496頃)ー万物の根源は数である
- パルメニデス(BC520頃-BC450頃)ー世界は始めも終わりもない永遠不滅の一体的な存在である
【インド】
- ブッダ
- 六十二見(けん):仏教関係の人々が、仏教以外の思想を62種類にまとめたもの
【中国】
- 孔子
- 老子
世界は何でできているのかを考えることは「哲学」である
農産物の生産量が多くなり、人々に余裕が生まれたことで知の爆発が起こったという流れは覚えておきたい内容ですね。
生きるのに精いっぱいであれば、「世界は何でできているのか」とったことを考える余裕はないですものね。
「世界は何でできているのか」という問いを考えることは非常に難しいです。
科学的に言えば素粒子なのでしょうが、それ以外の答えがあったとしても全然よいのではないかと思います。
結局は自分自身が「世界」をどのように見ているかという視点・視座の問題のようにも思われ、例えば「世界は「愛」でできている」という人もいるでしょうし、「世界は「つながり」でできている」という人もいるでしょう。
現在の私は、「世界は「偶然と必然の連続」でできている」と考えます。
たまたま太陽という恒星の近くに地球が存在し、水が存在したことは単なる偶然です。
ただ、その後の進化・発展は何らかの必然性があって進んだものなのではないか、そう思うのです。
今後この答えがどのように変化していくか、自分自身の考えの変化が楽しみです。