【日本のNFTアーティストにインタビュー】#056 Ecokeco(エコケコ)さん

大学卒業後、もともと芸術家として食べていくことを夢見ていましたが、なかなか芸術一本で食べていくことは難しく、一度断念しました。

NFTのことを知ったのは今年の２月頃でした。

テレビで特集が組まれていて、そこで日本の様々なクリエイターさんがNFTに進出していることを知りました。

NFTの世界を熱く語っているクリエイターの方たちを拝見して、この世界の熱量や可能性を知り、昔諦めた夢をNFTでなら実現できるんじゃないかと思いました。

それで、もう一度かつての夢に挑戦してみようと姉と意気投合して、この世界に飛び込む事となりました。

========================

（エコ：姉）

妹が持ちかけてくれました。

彼女がいなければ始めていなかったと思います。

（ケコ：妹）

もともと姉はイラストやアニメーションなどを専門にしており、妹の私よりも画力があったので、そのような役割分担になりました。

私は、立体造形を作っていたので、人物などの絵は普段書いていた訳ではなくて。

それから、大学時代に私はキュレーションの勉強を少ししていたので、私が裏方に回ったほうがいいだろうと思いました。

ただ、2人で折角やっているのだから、もう少し色々な挑戦ができるのでは？ということで、妹作、共作等、色々なコレクションを検討中です。

========================

（エコ：姉）

妹は昔から真面目でしっかりした考え方の持ち主で、人との信頼関係を築くのが上手でした。

他方絵を描いている時間だけは私のほうが長かったので、このような役割分担に今のところ落ち着いています。

（エコ：姉）

誰かの目に留まって気に入ってもらえますようにとの想いは込めています。

========================

（ケコ：妹）

基本、制作全般は姉の作家性を出したいので、姉に任せています。

ただ、作品の方向性や、企画の概要等はあまりに足並みが揃っていないと影響が出そうなので、話合いをしてある程度の整合性は取れるようにしています。

（エコ：姉）

躍動感と説得力です。

プログラムが人のように絵を描くこの時代に、自分がコンピューターよりもより表現できることは何なのか常に考えて描くようにしています。

（ケコ：妹）

最初にはるさんにお迎えして頂いた、#１の青龍刀です。

はじめて作品をお迎えして頂いた時は、これが我々のNFT進出の一歩なんだと、感動と興奮を覚えました。

これから先も初心を忘れないようにするという意味でも、大切な作品だと思っています。

========================

（エコ：姉）

全部とも言えますし、一つもないとも言えます。

難しい質問です。

（ケコ：妹）

アートと聞いてNFT界に飛び込みましたが、この世界（特にopensea）は、アートではなくビジネスに近いことは印象的でした。

マーケットプレイスによって、ここまで差異があることも意外でした。

アートと言っても、ここまで多種多様な価値観が入り乱れている世界は珍しいのではないかなと思います。

（ケコ：妹）

私たちの作品は、PFPのような一般受けするものではないので、投資としてという方よりも、絵が純粋に好きだからという理由でお迎えして下さる方が圧倒的に多いです。

日本においては1枚絵の市場が極端に小さいので、現在は同じような方向性の作家の方や、コレクションすることに重点を置いているコレクターさんのリストをこっそり作って、じりじりと同じ方向を向いている方たちと繋がりを作っている状況です。

また、お世話になっているプロモーターさんのおすすめで、海外の方との交流も少しずつはじめています。

1枚絵は断然海外のほうが市場が大きいので、徐々に海外の方への展開もしていければいいなと思ってます。

（ケコ：妹）

困っていることは、宣伝の方法がツイッターくらいしか無いことでしょうか。

NFTをはじめて一番難しいと思ったのは営業の仕方です。

主な戦場はツイッターのみで、そのツイッターも１４０字という限定的な文字数しかない。

またタイムラインは激流で、弱小アカウントのツイートは一瞬で流されてしまう。

つい最近のアルゴリズムの変更で、ますますフォロワーの少ないアカウントは苦境に立たされました。

正直なところ、リンクや画像を貼るとインプレッションが極端に下がるツイッターは、宣伝使用の場合は、あまり相性が良くないと感じています。

最近インスタグラムでNFT機能が拡張されましたが、他のSNSでもそのような動きがあれば、もっとNFTも世間に浸透していくのではと思ってます。

（ケコ：妹）

NFTの世界がもっとアートの1ジャンルとして認識されること、NFTの代表的アーティストとして挙げてもらえるような芸術家になること。

========================

（エコ：姉）

絵で生活していけるようになること。

（ケコ：妹）

NFTアーティストという訳ではありませんが、イギリスの有名芸術家ダミアン・ハーストさんは気になっています。

彼は最近ご自身の作品群の一部をデジタル化して、NFT版とリアル版を選ばせて、選ばれなかったほうは破棄するという「踏み絵」的実験をしました。

結果は、１万点の作品のうち、４８５１点のオーナーの方がNFTを選んだそうです。

アートの通貨としての価値を問いたかったという今回の活動でしたが、NFTアートの根幹を考えさせてくれる素晴らしい活動だと思いました。

デジタルアートは簡単にコピーできるので、アートとしての価値は軽く見られがちです。

その古い概念に風穴を開けてくれる可能性があるのが、こういう現代芸術家の方ではないかと思っています。

彼の今後のNFTでの活動が楽しみです。

（ケコ：妹）

今展開しているコレクションも、ただのイラストという形だけでは無く、何か発展させていけないかな、と考えています。

NFTアートはデジタルアートであり、その表現は本当に自由です。

自由だからこそ、イラストの枠に囚われず様々な企画に挑戦していきたいです。

========================

（エコ：姉）

始めた当初は、こんなに沢山の方々に興味を持って頂けるとは思ってもみませんでした。

さらに1人でも多くの方に興味を持って頂けるようにもっと作家力を磨いていきたいです。

========================

（エコケコ）

ありがとうございました。

実は、私は現在のコレクション「Cute warrior girls(girls and weapons)」の最初のコレクターでして、今でも鮮明にそのことを覚えています。

こちらの作品お迎えさせていただきました！別途DMでやり取りさせていただいて、誠実性と本気度を感じました。今後のコレクション展開に期待しております😄 https://t.co/oxAG6T9w4G

— はる｜NFT Collector (@haru_2006pp) May 5, 2022

絵の上手さとお二人の誠実性・本気度に胸を打たれて、「これは買いたい！！」と直感的に思ったんですよね。

今のその思いは変わっておらず、またお迎えできたらなと思っています。

いろいろな挑戦を検討されているとのことで今後が非常に楽しみです！