この記事では、平成30年11月に国税庁から出された「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を解説していきます。
法人税・所得税で主要と思われる部分についてのみ記載していきます。
仮想通貨に関する税務は直感的に「こうじゃない?」と思われる部分と異なるものもありますので注意して確認しましょう。
では行きましょう。
目次
所得税・法人税共通
仮想通貨を売却した場合
ポイント
直感的な理解と相違ありません。
【数値例】
・3/9 2,000,000円で4ビットコインを購入
・5/20 0.2ビットコインを110,000円で売却
(注)上記取引において仮想通貨の売買手数料については勘案していない
【計算式】
110,000円 - (2,000,000円 ÷ 4ビットコイン) × 0.2ビットコイン = 10,000(所得金額)
仮想通貨で商品を購入した場合
ポイント
現金は動きませんが、課税所得が発生する可能性がありますのでご注意ください!
【数値例】
・3/9 2,000,000円で4ビットコインを購入
・9/28 162,000円(消費税等込)の商品を購入する際の決済に0.3ビットコインを支払った。なお、取引時における交換レートは1ビットコイン=540,000円であった
(注)上記取引において仮想通貨の売買手数料については勘案していない
【計算式】
162,000円 - (2,000,000円 ÷ 4ビットコイン) × 0.3ビットコイン = 12,000(所得金額)
仮想通貨同士の交換を行った場合
ポイント
こちらも現金は動きませんが、課税所得が発生する可能性がありますのでご注意ください!
【数値例】
・3/9 2,000,000円で4ビットコインを購入
・11/2 10リップルを購入する際の決済に1ビットコインを支払った。なお、取引時における交換レートは1リップル=60,000円であった。
(注)上記取引において仮想通貨の売買手数料については勘案していない
【計算式】
60,000円×10リップル - (2,000,000円 ÷ 4ビットコイン) × 1ビットコイン = 100,000(所得金額)
仮想通貨の取得価格
ポイント
取得価格には、手数料を含めます。
【数値例】
・9/1 4ビットコインを2,000,000で購入した。購入時に手数料540円(消費税等)を支払った。
【この時の仮想通貨の取得原価】
取得原価 = 2,000,000円 + 540円 = 2,000,540円
仮想通貨の分裂(分岐)により仮想通貨を取得した場合
ポイント
0円になります(分裂(分岐)において取引相場がなく、価値を有していないため)
【問】
仮想通貨の分裂(分岐)に伴い、新たに誕生した仮想通貨を取得しました。
この取得の取得価格はいくらですか?
【この時の仮想通貨の取得原価】
0円(分裂(分岐)において取引相場がなく、価値を有していないため)
仮想通貨をマイニングにより取得した場合
ポイント
マイニングにより取得した時点の時価が取得価格になります。
【問】
仮想通貨をマイニングにより取得した場合、取得価格はいくらになりますか?
【答】
マイニングにより取得した時点の時価が取得価格になります。なお、マイニング等により要した費用については必要経費に算入されます。
所得税
仮想通貨の所得区分
ポイント
雑所得になります。
【問】
仮想通貨取引により生じた利益は、所得税法上の何所得に区分されますか?
【答】
原則として雑所得に区分されます。なお、その仮想通貨取引自体が事業と認められる場合には事業所得に区分されます。
仮想通貨の必要経費
ポイント
必要な支出であると認められる部分の金額に限り、必要経費に算入することができます。
【問】
仮想通貨の売却による所得を申告する場合、どのような支出が必要経費となりますか?
【答】
必要な支出であると認められる部分の金額に限り、必要経費に算入することができます。
例えば、
・売却した仮想通貨の取得価格
・売却の際に支払った手数料
仮想通貨で損失が生じた場合の取扱い
ポイント
損益通算はできません。残念。
【問】
仮想通貨取引による所得を計算したところ、損失が生じました。この損失を給与所得などの他の所得から差し引く(通算する)ことができますか
【答】
通算できません。(所得通算できるのは、不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得のみなので)
仮想通貨は「coincheck」か「bitFlyer」で買いましょう
ビットコインなどの仮想通貨を買うなら、「bitFlyer」か「coincheck」が良いですよ。
特に、「bitFlyer」は100円から購入できます。
私は「bitFlyer」を利用しています。
まとめ
平成30年11月に国税庁から出された「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」を解説しました。
仮想通貨に関する税務は直感的に「こうじゃない?」と思われる部分と異なるものもありますので注意して確認しましょう。